洪牙利(ハンガリー)備忘録

主にハンガリーでの思ひ出を綴っています

遠き日の思い出① 〜別の場所からの移し替え〜

学校が始まって一週間が過ぎた。だいたい教室の場所も分かった今日この頃。次の授業のため歩いていると、王様風の人に呼び止められた。
「これ、そこのやつ。余は昨日ドバイから来た。1年生なのだが教室が分からぬ。案内せい。(イメージ和訳)」
ぽっちゃり体型に口ひげが何とも威圧感を与えてくる。私とは違う教室なのに、気付けば「ささ、こちらです!」とばかりに案内を始めてしまっている私。
「しかし、何ともこの国は地味だな。アルカードとかいうショッピングモールに行ったが話にならぬ。余の国には5kmもの長さのショッピングモールがあるぞ。」
そのお話にならないアルカードはこの町一番のおしゃれスポットだ。暗い気持ちになりながら教室まで案内し、では私はこれで、と去ろうとすると、「これ、お前。教室のドアを開けい。」と言ってくる。仕方なくドアを開けると、何故か授業の真っ最中。一斉に私に視線が集まったので慌ててドアを閉める。王様が持ってる時間割表を奪い取って見ると、なんと1時間も前から授業が始まっているではないか。なんだ?確信犯か?うらめしそうな私を後目に、威風堂々と教室に消えていく王様であった。てか、ほんとに王様かどうかは分からないけど。

2013年9月