洪牙利(ハンガリー)備忘録

主にハンガリーでの思ひ出を綴っています

ベンガリング

ベカコの話をしていた。

今は桂南光という名前に変わった、もと桂ベカコの話である。

一通り話が終わったところで、

「ベンガルって桂?」

と旦那に問いかけた。
すると、

「あー...上方かわらないもんね。」

と返事が返ってきた。

「ふーん」

と答えたものの、さっぱり意味が分からない。

私はテレビで見かけるベンガルという人は咄家だと思っていた。
ベカコが桂ならベンガルも桂かな、そう思って発した、

「ベンガルって桂?」

だった。

上方落語がどうしたというのか。

後で分かったことだが、ベンガルは俳優だった。

〜旦那的、脳内変換〜

私「ベンガルってカツラ?」

旦那「あー...髪型かわらないもんね。」

私「ふーん」

...いや、ベンガルさんに謝れ。

ダイエット

約1か月前のこと。
お風呂で髪を洗っていて、ふと自分の腹が目に入った。

さ、さ、三段腹...!?

軽い衝撃を受けた。

風呂からあがると、体を拭くのもそこそこに急いで体重計に乗る。

ハンガリーから日本に帰国して1年とちょっと。
体重はしっかり7kg増えていた。

特に運動もせず、日本の食べ物は美味しいな~とか言って、食べたいものを食べたいだけ食べたらこうなってしかるべきである。

満を持して、ダイエットをすることにした。

食事と運動の両方から攻めよう。
でも、あまりきついのは嫌だな。
長続きしそうなやつじゃないと。

ちょこちょこっとネットで調べて「16時間ファスティング」と「30日で腹筋を割る2分間トレーニング」なるものを始めることにした。

16時間ファスティングでは「あと○○時間!」みたいなカウントダウンをしたくなかったので、朝ごはんを抜くことで統一した。

腹筋の方は動画を見ながら毎晩2分間、まじめに実施した。この世で一番長い2分間だと思った。

2020年10月7日から2020年11月7日までの1か月間、毎日欠かさず実施して、最終日にちょっとワクワクしながら体重計に乗った。

嘲笑うかのように1か月前と全く同じ数字を表示する体重計に「なんでやねん...」と悲しい突っ込みをいれる。

脂肪が筋肉に変わったんだ。しょうがないんだ。

自分で自分をなぐさめながら、鏡に映った自分の腹を見やった。

三段腹にしてみようと体を前に倒したり腹をよじったりしたものの、三段腹は現れなかった。

でも、あんまり嬉しくなかった。

鏡に映った自分の腹は、白鵬の腹にそっくりだった。

お相撲さんの腹は、例えパンパンに膨らんでいても脂肪ではないということを身を持って知った、2020年秋。

自治会の班会議

班会議→はんかぃぎー→ハンガリー

...無理やりハンガリーにこじつける必要もないのだけれど、ハンガリー備忘録というブログのタイトルからかけ離れすぎの内容であることをお許し願いたい。

ここは日本のど田舎。
1年ほど前、2019年の夏にハンガリーから戻ってきて住み始めたこの場所は、そう遠くない未来に廃村になるんじゃないかと心配になるような過疎地。

50名弱の住民から構成された小さな自治会は、平均年齢が70歳を超える高齢化に見舞われている。

そんな中、自治会の次期役員(会長、副会長、書記、会計)を選出するための班会議が開かれた。

十数名からなる班は1班から4班まである。
私が所属する班の班長さんは、長い髪をクルクルとお団子にしたふくよかなマダム。けっこうなご高齢である。

「私、会をうまく取りまとめたりできないと思うの。」

班のみんなが揃わないうちからマダムは自信なさげにソワソワしている。

班会議がゆるっと始まった。
愚痴のような意見が飛び交う。

マダムは持ってきた紙に鉛筆で一生懸命メモを取るが、自身が心配していた通り、一向に皆の意見がまとまる気配はない。

「そもそも役員が何をしてるか見えないのが問題なんですよ。まず現役員がやってることを書き出して、これはいる、これはいらない、と精査をするところから始めないと。」

しびれを切らしたちょい悪オヤジが声を荒げる。

「対外的なことを考えると、やっぱり会長は男性じゃないと厳しいわよね。」

ガールズと呼ばれている70代の3人娘のうち一番ちゃきちゃきしているお姉さまが、やんわりと自分に会長が回ってこないよう画策する。

お団子マダムの班長さんは、確認のためにと自分がメモした内容を読み上げるが「ちがうちがう!」と言われてしまい、激しく焦っているのがはた目にも明らかだ。
焦りとマスクで息苦しくなったのか、座っているのにふぅふぅ言っている。気の毒になってきた。

少し同情しながらぼんやり見ていたら、マダムはふぅふぅ言いながら、

「次の班長は若い方にお願いしたい。」

としっかりこちらを見ながら言ってきた。いや、今は班長の話じゃない。役員の選出だ。慌てて顔を背ける。

会が始まって一時間半が過ぎた。

「もうそろそろ、まとめに入らないと。」

ちゃきちゃき姉さんがマダムを促す。

息があがりっぱなしのマダム。
皆の意見に翻弄され、きれいなお団子にしてあったはずのマダムの髪は大きく乱れていた。
まるで相撲で大一番をとった後のようだ。

ふぅふぅ言うばかりで要領を得ないマダムにちゃきちゃき姉さんが、

「まずはやるべきことに線を引いて...」

と言った。
その場にいた者なら、それが「各役職がどんなことをすべきなのかを明確にし、やるべきことに線引きをする」という意味であるのは明白だった。

しかし、私は見てしまった。
マダムが自分のメモの該当箇所に鉛筆で文字通りしっかり線を引いたのを。

「でも今の会長さん、もう一年やるつもりって言ってたわよ。」

今まで沈黙を守っていた70代ガールズ3人娘のうちのひとりが、収束しかけていたところに全てを根底から覆すような内容を最後の最後でほうり込んできた。

かくして班会議は長くなってゆくのだと学んだ、2020年秋。

ほしがりません、勝つまでは。

先日、関東圏に住む友人2人とLINEでグループ通話をしていたときのこと。コロナにまったく関係のない用件だったけれど、こんなご時世、どうしたって話題はコロナの話に。

「実はうち、3月末くらいに家族の1人が熱と咳で寝込んでたんだよね。」

友人Aが何かを決意したような声でそう言った。

保健所に電話して【コロナっぽくても診てくれる近くの病院】を教えてもらって受診したけど、その時は検査対象が「海外からの帰国者や、そういった方々と接触した人」などと限られていたから、結局検査はしてもらえず、ご家族の方は普通の風邪薬を飲んで家で寝ていたとのこと。そうこうするうちに、友人Aも倦怠感を感じるようになったらしい。

「今はもう家族も自分も大丈夫なんだけど、あれはコロナだったんじゃないかって。」

するとだまって聞いていた友人Bも言いにくそうに、

「実は、うちの所属長がコロナ陽性になったのだけど、自分もちょっとなんか最近だるくて。」

と言い出した。幸いなことに外出をしなくてもよい状況になったので、コロナだったら撒き散らすのが怖いから外出をせず過ごしているらしい。

改めて感じた、きっとみんなが心に抱いている疑惑。検査してないだけじゃないの?感染爆発直前じゃなく、もう爆発してるんじゃないの?という疑惑。

でも、日本に古くから根付く隠蔽体質が医療崩壊という大義名分のもと正当化されている!などと非難するのはきっと今やるべきことではない。とりあえず今個人レベルでできるのは外出の自粛。これ一択。

未曾有の事態に「マスク2枚」とか「CAさんが防護服の縫製を手伝う」とか、戦時中みたいな案しか出てこない我が国に過度な期待をせず、自分の頭で考えて感染拡大をしないよう行動に気を付けたい。

2020年4月11日

全くもってハンガリーとは関係ないのだけれど😅

例えば、長々と行列ができているとき。

「永遠つづいてるよねー」

と誰かが言うのを耳にすることがある。

他にも、長~い演説を聞いているときとか。

「永遠おわらない💧」

と表現する人を見かけることがある。

こういった場合「永遠」ではなく「延々」が正しいのではないかと思う。

そして、決まって頭の中でTHE BLUE HEARTSの情熱の薔薇が流れる。

〜永遠なのか、本当か?〜

お後がよろしいようで。

ここは日本のはずなのに。

水が出なくなった。
あれあれ?断水かな?と思い、インターネットで調べるも何の情報も出てこない。
我が家だけだろうか?と思いつつ、夜も遅かったので一旦様子を見ることに。

次の日になっても断水は続いている。
9:00になるのを待って市役所に電話してみた。

市の職員「あー昨日から断水してますね。」

ふむふむ。なるほど。

私「いつまで続く感じですか?」
市「最低1ヶ月ですね。」
私「え゛?」

自分でもビックリするくらい低い声が出た。

私「い...1ヶ月?」
市「今、給水車が向かってますんで、水を受け取ってください。」
私「ちょ、ちょっと待ってください。なんで断水してるんですか?なんで1ヶ月も続くんですか?その間ずっと給水車なんですか?」

私の矢継ぎ早な質問に、市の職員は「詳しくは区長さんに聞いてください」と、区長さんとやらの名前と電話番号を言い残し電話を切った。

区長さんって何だ?と思いつつ、仕方がないので教えられた電話番号に電話する。

「ハイ、モシモシ」

女の人が出た。市の人にこちらにかけるよう言われたので...と話す。

「ハイハイ、水ネ。ポンプ壊レタ。ナオスノ時間カカル」

あれ?なんかたどたどしい。

「ワタシ、ニホンゴ、アマリ上手クナイカラ、ゴメンネ」

...なんだこれは。どうしよう。。。

女「シュジン、大阪、車トリニイッタ。カエッテクルト電話スル」
私「分かりました。では、こちらの電話番号をお伝えさせていただいてよろしいでしょうか?」
女「ワカッタ。ジェロキュージェロ...」
私「いえ、あの私の方の電話番号をですね...」

最後に彼女は「水は早い者勝ち」みたいなことを言い残して電話を切った。

半信半疑で教えられた場所に行くと、人々が集まっていた。あまり悲壮感はない。諦念とでも言うべき空気が流れている。とりあえず飲み水をもらう。「非常用」の文字がなんとも恐ろしい。
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この後ホームセンターに走り、20リットルのポリタンクを2つ購入し、トイレ用水をゲットした。

...いやいや、待て待て。1ヶ月もこんな生活は無理だよ。実家に電話して1ヶ月ほど避難させてほしいと親に相談した。

この辺りは私有地であり、元々の管理会社がつぶれた後に変な管理会社が入り込み、水と道路を押さえてしまっている。お陰で道路はボコボコのまま、ライフラインの水は1ヶ月1万円もする。高額のくせにポンプが壊れても対応は悪い。市が管理していれば1ヶ月も断水なんてことはないのに。この管理会社はあちこちで似たようなことをし、色んな所で訴訟問題になっている(去年くらいにニュースにもなっていた)。

ひとしきり準備を終えたあと、家に戻ると水が出るようになっていた。ワケが分からないがとりあえず喜ぶ。

夜に区長さん(旦那さんは日本の方だった)から電話があった。ここは山の上なので水を上げるメインのポンプがあるのだが、今までも何度も動かなくなっており、その度に住民達で対応してだましだまし使っているとのこと。今回はもうダメだと思ったけど、なんとか直ってくれました、と言う。管理会社の恒久的な対応は望めないとのこと。

日々断水に怯えながらの生活なんて考えもしなかった。ハンガリーのセゲドは上下水道しっかりしていたよ。...と、無理やりハンガリーに寄せてみる。

区長さんから「水と道路を市で管理してもらえるよう活動しているが難しい。自治会で随時活動報告してますので。」と、自治会に入るようすすめられた。分かりました、と返答したら次の日ポストに入会申込書が入っていた。行事計画書も入っており何気なく見ると「草刈り作業振り分け」とあった。草刈り作業自体は10月1日~31日となっている。草刈りを1ヶ月やり続けるのか...1ヶ月の断水に怯えながら...もう、1ヶ月と聞くだけでちょっと恐ろしい。

引っ越してきたばかりだけど、既に引っ越したい。

ガツン、と🍊

ハンガリーにいたときから気になっていた。
「ガツン、とみかん」

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初対面👏
写真は白くまが目立っているが、メインはガツン、と...の方。もう既に一本食べた。みかんがみっしりと詰まっていて、いとウマし😍

果たしてこの記事はハンガリー備忘録にふさわしいのか否か。たぶん、否。